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栗山みのり太鼓代表

附締太鼓の補修

10数年前から使用している3丁掛が、縫い糸が切れてきてしまいましたので、今回 補修します。

まず、ボルトを外しリング皮を水に一昼夜浸けて柔らかくします。(今回は、PH.9.5 アルカリ水を使用して8時間浸けました)

切れた糸の付近、目数にすると4~5目の糸をほどきます。これは、新しい糸を結びますので丁寧に扱います。

切れた糸は、普通の綿糸(タコ糸)のようでしたので、少し太めの綿糸2mmを用意しました。

さて、太さ2mmの糸を通す針が有ったとしても、針を通し糸を折り返して皮を縫う為には大きな穴が無いと縫えません。皮をしっかり縫う為には糸と同径か小さい穴が最適と思われます。

さてさて、針はダ○ソーで購入した補修用針27本セット内のバッキング針もしくは、家具装飾品針が適してると思われます。

針に糸を通すのにひと手間掛けます。 どんな事をしても2mmのタコ糸は針の穴を通せないので、糸の端を7~8cm撚りを戻します。

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戻した部分にカッターナイフを当てて糸先に向けて擦るようにテーパーを付け端が細くなるようにします。

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極端に細くならないように何度もカッターの刃でスキ取りします。

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テーパーを付けたら、撚り直します。

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端が随分細くなったので、針に通して

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糸を折り返して元糸に絡めます。

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この状態でほどけないように木工用ボンド等でくっつけてしまいます。

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これで、糸の先に針が付いているように錯覚をしてしまう状況になり縫いに入ります。

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切れていた糸と新しく縫う糸を結んでから縫い始めます。 結び目は必ず裏面にします。

いくら水に浸して柔らかくしたリング皮でも、直接針で縫う事が出来ないので、表面からほどいた糸の通ってた縫い穴から丸キリで穴を開けます。 この時、裏面の穴に合わせる事なく表裏ともに貫通させます。 キリの太さは太過ぎない物で、針を通しやすい物を使用します。

1目縫う度に糸を締めながら縫っていき、切れていない糸まで縫い上げて古い糸と結べば縫い作業終了です。

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縫い終わったら、リング皮を陰干しして終了です。

今回の工程を利用して、皮を締め過ぎて双方のボルトが当たって締めれない附締をしばらくの間、皮を元の状態に戻す事が出来ますので、一度水に浸し、陰干しして使用して見て下さい。(あくまでも、駄目で元々と言う考えで行っていますので、個人で行う場合は自己責任でチャレンジして下さい)