桶胴製作過程を紹介中でしたが、製作は既にリング皮を製作に至っています。
本日、泣きながら4枚目を縫い上げましたので、取り急ぎ報告致します。
順次、製作過程を紹介致しますのでご期待下さい。
過去に桶胴太鼓(1.4尺×4 1.5尺×4)大締太鼓(2.5尺×2)を製作しました。 俗に言う、自作太鼓ですね!
今回は1.6尺の桶胴太鼓を作ろうと思います。
桶胴は打ち手が担いで演奏するので、出来るだけ軽量に作る必要があります。
桶を作る材料には私の場合、桐を用います。 本来は杉材を用いますが、地元では手に入りにくくホームセンターで安価で手に入る押入れ用のスノコを解体して使用します。
板の部分を使用するので、接合部分を外します。
金槌で直接叩くほど上手くないので、当木を使い外して行きます。
裏側に釘が残る事があるので抜きます。
今回は1.6尺の桶胴ですので、歌口の外径を39cmを目標にして板の枚数を決めます。 歌口の寸法に対して1割強増しの43cmを胴の中心部分の外径にします。43cm×3.14=135.02cm 板の実際の寸法6.5~7cm 板の側面を斜めにして板同士を貼り合わせるので6cm程度しか使用出来ません。 135.02cm÷6cm=22.5枚 必要です。 そして、歌口部分が39cmですから、39cm×3.14=122.46cm÷22.5枚=5.44cm 1枚の板の両端の幅が5.4cm中央部分が6cm そして、貼り合わせる部分を斜めに切る必要があります。 斜めに切る角度は、貼り合わせる板の総数により変わります。 今回は22.5枚なので、23枚の貼り合わせで製作します。 360°÷23枚=15.65° ÷2(両方の面に角度を付ける為)=7.8°
まず、板の両端をカットし必要な57cmに揃えます。
そして、板の側面の加工に掛かります。
丸鋸盤にガイドを取り付けて鋸刃に7.8°の角度を付けます。
板の両端を狭くする為にガイドを大きく開いたVの字にして中央(鋸刃の部分がVの字の谷になるように)に合わせます。
ガイドをVの字にする事で、板の側面への刃の当たリ方が変わり両端が狭く、中央が広くなります。
パーツが出来上がったので、組立に入ります。
私はいつも、木工用のボンドで貼り付けてしまいますが、組立に毎回手こずるので、ここでもガイドを作り省力化しました。
ボンドを接合部分に塗布しガイドに寄り添うように置いて行きます。
すべて置き終わったら、内径43cmの鉄製リングがあったので外側に被せて仮止めしました。その後、端の部分に番線で再度仮止めし、ガイドから外します。 その後、なまし番線で締めます。
次は、反対側を締めて固定する訳ですが、今回は締める道具を作ってみました。 鉄骨の両端にワイヤーを張ってハンドウインチで締めました。
ハンドウインチの力が強いので、ほどほどに締めた方が良いです。 締めた部分も番線で締めて固定して乾燥させます。
今まで数台の附締を制作してきましたが、胴はすべてスプルース材の貼り合わせで制作してました。
今回は、5~6年前に頂いて玉切りし芯を抜いて乾燥させていた胡桃(くるみ)材を使用して胴を制作します。
木工旋盤があれば簡単に削る事が出来るのですが、根性入れてベビーサンダーで削って行きます。
本来ならば4丁掛胴は、高さ21cm 歌口外径26cm 胴の中心外径28cmですが、22.5×26×29 で制作する予定です。 制作する胴を4丁掛に使い取り外した高さ21cmの胴を先日補修した3丁掛に使用する為です。 3丁掛の皮は既に使用限度を越えようとしています。 一度水に浸けて乾かしているので、皮が縮んでボルトで締める事が出来ますが、やがて元近くまで伸びてしまいますので引き続き使用する為に締める余裕が欲しい為です。
内側も削り取り大体の整形をします。 今度はランダムサンダーでペーパー掛けをします。最初は80番 次は120番で・・・。
外径の確認をして、歌口の整形をします。歌口の形状に関しては、自分の考えで行っていますので、あえてコメントしません。成果が得られればお伝えしますね!
胴の真ん中外径の測定が出来ないので、リングを被せて見たところ、途中で引っかかってしまい、再度削り直さなければならなく成りました。
削り過ぎてしまうと、修正が出来ないので、このぐらいの方が失敗しなくて良いのかもしれません。
リングを被せて大きくなっている部分に印をしてひたすらサンドペーパーをかけました。 全体の形状や歌口までの形状を常に確認しながらの削りで何とかリングを被せても5mm平均の余裕が出来たところで仕上げ削りに入ります。
今回は、80番のペーパーが使い切ってしまいましたので、ベビーサンダー用のアイテムなのですがマジックテープ式でしたので流用しました。
これが大正解で、これまでは10分も使用するとサンドペーパーの効果が無くなり交換の連続でしたが、1時間以上の使用にも耐え再度使用可能でした。
ペーパーを120番に替えて力を加えずに軽く滑らせて傷を取って行きます。
歌口を仕上げて塗装に入りますが、今回は塗装ではなく特殊ポリマー樹脂を塗って終わりにしたいと思います。
寿化工株式会社製のプレポリマーと言う物で、要約すると木材に塗る事で木材に浸透し塗布部を固く丈夫にする効果があるらしいのです。 この製品を全体に塗って行きたいと思います。
まずは内側に垂らすようにたっぷり塗布します。
回しながら2度塗りしました。
外側や歌口部分にも塗り込み特に歌口には念入りに塗り込みました。
外側も2度塗りして、乾燥を待ちます!
実は、この胴と対になる胴を作っていましたが、とんだ勘違いで製作寸法を間違ってしまい折角の同じ胡桃材を無駄にしてしまいました。 誠に残念ですが、使えない物は使えないので展示物にでもします。
対の胴が無くなってしまった事は、今後の運用上支障が出てしまうので、昨年あどみんさんから頂いた楢の木を使い制作しました。
内側に腐れが入っていて、くり抜く事は楽なんですが、外側が“いびつ”でオマケに曲がっている物でしたので、諦め半分で製作していました。気持ちが入っていないせいか、つまらないミスの連続、オマケに胴の側面を欠かしてしまい木工用エボキシパテを約120gも使って補修しました。 補修跡がとっても醜いので、木製品の傷を隠すマーカーで木目を描いてみました。 これがセンスのない私にしては上出来で、公開したくなったので、画像を貼り付けて於きます。 胴の中央部分の黄いろい部分が木目を描いた箇所です。
10数年前から使用している3丁掛が、縫い糸が切れてきてしまいましたので、今回 補修します。
まず、ボルトを外しリング皮を水に一昼夜浸けて柔らかくします。(今回は、PH.9.5 アルカリ水を使用して8時間浸けました)
切れた糸の付近、目数にすると4~5目の糸をほどきます。これは、新しい糸を結びますので丁寧に扱います。
切れた糸は、普通の綿糸(タコ糸)のようでしたので、少し太めの綿糸2mmを用意しました。
さて、太さ2mmの糸を通す針が有ったとしても、針を通し糸を折り返して皮を縫う為には大きな穴が無いと縫えません。皮をしっかり縫う為には糸と同径か小さい穴が最適と思われます。
さてさて、針はダ○ソーで購入した補修用針27本セット内のバッキング針もしくは、家具装飾品針が適してると思われます。
針に糸を通すのにひと手間掛けます。 どんな事をしても2mmのタコ糸は針の穴を通せないので、糸の端を7~8cm撚りを戻します。
戻した部分にカッターナイフを当てて糸先に向けて擦るようにテーパーを付け端が細くなるようにします。
極端に細くならないように何度もカッターの刃でスキ取りします。
テーパーを付けたら、撚り直します。
端が随分細くなったので、針に通して
糸を折り返して元糸に絡めます。
この状態でほどけないように木工用ボンド等でくっつけてしまいます。
これで、糸の先に針が付いているように錯覚をしてしまう状況になり縫いに入ります。
切れていた糸と新しく縫う糸を結んでから縫い始めます。 結び目は必ず裏面にします。
いくら水に浸して柔らかくしたリング皮でも、直接針で縫う事が出来ないので、表面からほどいた糸の通ってた縫い穴から丸キリで穴を開けます。 この時、裏面の穴に合わせる事なく表裏ともに貫通させます。 キリの太さは太過ぎない物で、針を通しやすい物を使用します。
1目縫う度に糸を締めながら縫っていき、切れていない糸まで縫い上げて古い糸と結べば縫い作業終了です。
縫い終わったら、リング皮を陰干しして終了です。
今回の工程を利用して、皮を締め過ぎて双方のボルトが当たって締めれない附締をしばらくの間、皮を元の状態に戻す事が出来ますので、一度水に浸し、陰干しして使用して見て下さい。(あくまでも、駄目で元々と言う考えで行っていますので、個人で行う場合は自己責任でチャレンジして下さい)
栗山みのり太鼓の代表は太鼓も手作りしています。
大太鼓から小さな太鼓まで見事な出来で、製作した手作りの太鼓は、練習や演奏にも使うのはもちろん、2007年5月には栗山小学校に長さ110㎝高さ75㎝の大締め太鼓1台寄贈されました。「多くの子どもたちに太鼓に触れてもらい、力一杯叩いてもらい」と、代表の原さんから渡されました。
ファイターズの有名な元監督にもプレゼントされたようです。
私も皮貼り作業をお手伝いした事もあります。
スゴイ!